導入事例

【新人研修】研修テーマ「イノベーション」

【DIDビジネスワークショップをカスタマイズでご利用:8チーム同時進行の出張開催】

株式会社日立製作所
情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部
(写真左から)清水佑亮 様、大崎真実 様、石橋康大 様
清水佑亮 様、大崎真実 様、石橋康大 様

「互いのコミュニケーションのきっかけにしてほしいという思いで、新人研修の最初の週に導入。その後のワークショップにも明らかな変化があり、最適な仕掛けだったのではと感じています」

 ITプラットフォーム事業本部の新入社員のみなさまは、数か月に渡って行われる研修の中で、最初の週にダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下DID)のビジネスワークショップをご体験。出張開催として約80名全8チーム、同時進行で真っ暗闇の中での新人研修が行われました。今回ご導入いただいた経緯、そして新人研修としてご利用いただいた効果など、担当された人事教育グループの清水さん、そして研修にご参加いただいた石橋さんと大崎さんにお話をうかがいました。

まずは、どのような経緯でDIDを導入されたのか、教えていただけますか?

清水様(以下、敬称略)「一番のきっかけは、私の上司とDID理事の志村様がもともと知り合いで、おもしろい研修があるという話を聞いていたことです。そして今回、ITプラットフォーム事業本部の新人研修の内容を一新させるにあたり、導入できないかと考え、すぐ外苑前会場に行きガーデニング・バージョンを体験しました。そこで、伝えたいことをどうやったら理解してもらえるかとか、ふだんは表情やジェスチャーにいかに頼っているかとか、いい学びがたくさんありまして、これは是非大きく取り入れてみようと導入した次第です」

ありがとうございます! DIDでの研修は、新人研修の中でどのような位置づけでご活用いただいたのですか?

清水「そもそも新人研修の狙いとして、イノベーション・マインドの醸成というものがあり、そこへのアプローチとしてDIDには段階的に3つのことを期待しました。第一段階はコミュニケーション。数日前に初めて顔を合わせた約80名の新入社員同士が、これから先も同期としての関係性をしっかり構築していくための土台をつくってほしいということ。第二段階としてはリーダーシップマインドを持つということ。暗闇の中では誰かがリードして、それに皆が応えていかないとワークはうまくいかないですよね。主体性の大切さ、ここまでは全員に気付いてほしかったところです。第三段階はイノベーション・マインド。単なるグループワークも「暗闇」というものを掛け合わせると全く別の新たな学びにつながります。DIDの研修そのものもイノベーションだということに気づいてほしいと考えました。実体験を通じて気付いた学びは、単に言葉で教えてもらうより大きな効果があると思っています。DIDを研修プログラムの序盤に導入することは、その後の研修に大きな影響があると考えていました」

実際、暗闇での研修をご体験されていかがでしたか?

石橋様(以下、敬称略)「最初の1週間のスケジュールを渡されたとき、終わりのほうの1〜2日は“イノベーションワークショップ”とだけ書いてあって、他は細かくスケジューリングされていたので、そこでは何をやるのかとすごく楽しみでした。暗闇に入る前は、みんなが白杖を持って一列に並び、前の人の肩を持ったりして非日常な感じで。暗闇に入ってからも、まわりに同期がいるので最初は落ち着いていました。でも、誰がどこで声を出しているのかわからなくて、もやもやした心境の変化が始めのころはありました」

大崎様(以下、敬称略)「私は、暗闇になった瞬間は『怖いな』と思いました。今まであまり話したことがないメンバーばかりだったので、どうしよう?みたいな気持ちになりました」

インタビューのご様子

その後、暗闇の中でグループワークをされましたが、どんな気付きがありましたか?

石橋「グループでテーブルに座った状態でワークを行うわけですが、最初は隣同士で話し合ったり、あちこちで声が聞こえてくる。誰も全体を取りしきれていない感じで、あまりコミュニケーションがうまくいってない感じがしました。それで思ったのは、自分の意見を発信する人、話しかけられるまで黙っている人、あるいは全体の状況を把握するのに長けている人とか、見えているときより個性が際立っていたということなんです。そこで、全体を理解できている人に進捗を聞いてみたり、黙っている人には話しかけたりと、役割を意識してみました。ワークの結果はパーフェクトではなかったですが、コミュニケーションのやり方としては、徐々にすり合わせができていたかなと思いました。また、ワークの残り時間が少なくなったとき、チーム全員の意見をすり合わせることは、通常だと良いプロセスだと思うのですが、時間がないときは、誰かがトップダウンで決めることもいい方法だなと思いました。暗闇では、ふだんとは違う気の使い方が必要でした」

大崎「私たちのグループは、最初に出た意見をみんなでいいね、って感じで試していったのですが、最終的にはうまくいかなくて。当たり前だと思っていたことがそうじゃないんだということを感じました。でも、それまであまり話したことがないメンバーでしたが、暗闇の中では互いをニックネームで呼び合い、比較的全員が積極的に発言していたので、明るいところとは違う、一気に親密になるようなつながりを感じました」

石橋「暗闇では、声や話の内容で個人のイメージを結びつけていったので、明るいところでは見た目の印象が大きいというのとは違っていることは感じました」

清水「これまでも様々な方法で主体性を養う仕掛けを実施してきましたが、今年はより効果があったと思います。すごい前のめり感があると感じましたね。10人いれば3〜4人くらいがリーダーシップを発揮し、それ以外は参加はしてるけど貢献はしていない、ということがほとんどだったのですが、それがおもしろいくらい全員が輪になってワークを進める話し合いをしていたり、立って腕まくりして熱くなっている新入社員もいたりという場面をよく目にしました」

導入という意味でも役立てていただいたということですね。うれしいです

石橋「自分は3つ、効果があったと感じています。1つ目は先ほども触れましたが、暗闇では個性が際立つということ。2つ目は、コミュニケーションの方法について考え方が変わった、深まったということです。暗闇の中では、相手が話しているのを聞くときに、何が言いたいのかなとか意図していることを想像してからキャッチしていることに気づいたこと。逆にこちらから発信するときも、ふだん見た目で伝わっていることも全部説明しないといけない。当たり前だと思っていることも、間違って解釈しているかもしれない。これは、たとえ明るいところでのコミュニケーションにおいても考えなければいけないことだと思いました。3つ目は、全体を俯瞰することも大切だということ。誰がどこまでわかっているか、相手の気持ちはどうなのか、自分はわかりやすく伝えられているのか、会話に参加していない人は何を考えているのかなど、考えることがたくさんある。そういったところが明確になったおかげで、これからのコミュニケーションはその3つに気をつけたいと実感できるようになりました」

研修風景

研修から約半年が過ぎましたが、その気付きがこんなとき役立ったとか、今も意識していることはありますか?

石橋「3つを再認識した上で、より理解が深まったと感じています。たとえば電話でのコミュニケーションには似ている部分がありますよね。見えない状態でどう説明するのか、それが相手にどこまで伝わっているのか、あまりに細かいところから伝えてもダメだし、大きすぎるところから伝えてもくどくなる。これからも考えていきたい部分だと思います」

大崎「私は、自分が当たり前だと思っていたことが、他人にはそうではなかったということを一番大きく感じたので、自分が思っていることを積極的に声に出して伝えていくことが大事だなと思って行動しています。今までは研修が続いていたので、同期とのつながりが強く、何でも言い合える関係なのですが、現在は各職場に配属され、先輩や上司の方と接する機会が多くなり、今自分がどこまで何をわかっていて、何がわかっていないのか、そしてどこでつまずいているのかを伝えることによって、指導いただく先輩たちにもわかっていただけるかなと思い、積極的に伝えるようにしています」

清水「さきほど申し上げた通り、その後のワークショップにも明らかな変化があり、仕掛けとしても最適だったと思います。そもそも、最初に外苑前で暗闇を体験したとき、一人で行って良かったと思っていて。全く知らない人たちなのに、暗闇の中で一緒に話すのが本当に心地よくて楽しかった。新人にも、まずは楽しくコミュニケーションを図ってほしい、そしてリーダーシップやイノベーションというキーワードを体感してほしいという思いがありました。そういう意味でも、良いバランスの研修だったのではと思います」

ありがとうございます! 最後にぜひ、DIDはどんな方にお勧めか、お知恵をいただければ嬉しいです

清水「DIDの暗闇に入ると、凝り固まった考えが、一度ぐしゃっとリセットされるというか、一人の人間として、自分の頭の中や心が試されているような場になるように感じました。なので、会社のベテラン層の方々が受けても面白いのかなと思います。仕事も生活も安定し、あとはこのまま定年まで…なんて方々にはとてつもないインパクトになるのではないでしょうか。成長や変化を意識しなくなってしまった人たちに体験してもらうと、もう一度フレッシュになれるんじゃないかなと思いました」

石橋「DIDのアテンドは、視覚障害者の方しかできないですよね。彼らから、僕たちが新しく発見させてもらえるのはいいなと思ったこと、強みを見つけ、それが障害者雇用にもつながっていることは、社会イノベーションじゃないかと思いました。そこで、お子さんが体験するのはいいのではと思ったんです。もしDIDの暗闇で、アテンドの方にリードされていろいろ学ばせてもらったら、絶対、かっこいい、すごい!ってなると思うんですよ。そういう原体験をもって成長してもらえたらいいんじゃないかなと思います」

大崎「私は、自分の友達にすごく勧めたいなと思っています。一緒に買い物に行っておしゃべりするのもいいけれど、それとはまた違う、素敵な時間の過ごし方があるんだよって、いろんな人に紹介したいですね」

本日は貴重なお話、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。

(※2014年10月取材)

    〜ご体験されたみなさんのアンケートより〜
  • 「暗闇という視覚情報がない世界で、ミッションを達成するために、聞く力や発言する力が重要であり、密なコミュニケーションをとることで、困難なことも乗り越えられると実感することができた」
  • 「意思疎通がとても難しかった。相手の表情がわからないので、自分の意見に賛成なのか反対なのかわからないし、何も伝えてくれなければ、自分はどういったアクションを起こしていけばよいのかわからなかった。自分の意志を言葉で伝えることの大切さを知り、これからふだんの生活でも行っていきたいと思う」
  • 「実際に体験してみると、思っていた以上に仲間や周りの人の大切さに気付くことができた。とてもすばらしい時間を過ごせてよかったです」
  • 「暗闇の中でまず感じたことは、いつもと違って、話すことの壁のなさだった。しかしこれは本来コミュニケーションをとる上で作るべきでないものであり、これから気をつけたい」
  • 「人は大切なものを失うと、生き残るためにできること全てを本気で行おうとする。それにより、心と心を通わせるコミュニケーションができた。これはイノベーションにおいても、大切なものだ。ここまで本気になれたのは初めてです」
  • 「課題をどう解決するか、様々なアイディアが飛び交う議論となったのは、とても楽しかった」
  • 「イノベーションを起こすには、各々が積極的にアイディアを出し合い、それを全員で収束させなければならないことを学んだ」
  • 「今日のワークを通し、自分の弱い部分を知ることができた。また今後、めざしたい理想が少し見えてきたような気がする。楽しかった」
【株式会社 日立製作所】http://www.hitachi.co.jp/
日立製作所1910年創業の総合電機メーカー。「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念に基づき、先の世代を見据えた人々の生活向上に力を注ぎ、「社会イノベーション」事業をグローバルに展開している。情報・通信システム社では、通信ネットワーク機器などのITプラットフォーム、コンサルティングやシステム・インテグレーション等のソリューション・サービスまで幅広く取り組み、ITを活用して社会やビジネスに新たな価値を創出している。